当社の気候変動への対応
カーブスグループは創業から掲げる経営理念、
- 事業目的:
- 病気と介護の不安と孤独のない生きるエネルギーが溢れる社会をつくる
- 私達の使命:
-
私達は、
正しい運動習慣を広めることを通じて、
お客様と私達自身の豊かな人生と
社会の問題の解決を実現します。
に基づき『地域密着の健康インフラ』として社会課題の解決に貢献することを第一義として経営をして参りました。お客様、フランチャイズ加盟店、ともに働く人達を含めたステークホルダーの皆様とともに、社会・環境をより良くしていくことに努めることでサステナビリティ経営を実践して参ります。この取り組みの一環としてTCFDフレームワークに沿って、気候変動に関する重要情報を以下の通り開示します。
TCFDフレームワークとは
TCFDフレームワークとはTCFD(気候関連財務情報開示タスクフォース)によって公表された、気候変動による企業への財務影響を開示するための枠組みのことです。このフレームワークは以下の4要素で構成されています。
・ガバナンス
気候変動に対してどのような体制で検討し、それを企業経営に反映しているか。
・戦略
短期・中期・長期的な気候変動によって、企業経営にどのような影響を与えるか。またそれについてどう対応していくのか。
・リスク管理
気候変動のリスクについて、どのように特定、評価し、またそれを低減しようとしているか。
・指標と目標
リスクと機会の評価について、どのような指標を用いて判断し、目標への進捗度を評価しているか。
ガバナンス
当社グループは、サステナビリティ経営を推進するため、2022年11月より「サステナビリティ経営推進委員会」を設置しております。サステナビリティ経営推進委員会は当社代表取締役社長を委員長に、主要子会社の株式会社カーブスジャパン代表取締役社長を責任者として、各事業分野の責任者(子会社社長および子会社常務執行役員)を委員で構成され、当社管理本部経営企画室を事務局として四半期に一度「サステナビリティ経営推進会議」を実施しております。
サステナビリティ経営推進会議ではサステナビリティに関する課題と目標設定、進捗管理を行い、そのマネジメントを実施しております。また、本会議での議事内容は取締役会に報告しており、取締役会は当社グループ全体のESG課題における機会とリスクおよび中長期目標に関する取り組みの進捗状況の監督、助言を行う仕組みとしています。
気候変動に対する体制図
(サステナビリティ推進体制)

戦略
分析のプロセス
TCFD提言で示された各リスク・機会の項目を参考に、気候変動問題が当社グループの事業に及ぼすリスク・機会に関して、以下のステップで検討いたしました。
また、1.5℃シナリオと、4℃シナリオの二つのシナリオを用いて、政策や市場動向の移行(移行リスク・機会)に関する分析と、災害などによる物理的変化(物理リスク・機会)に関する分析を実施いたしました。
気候変動シナリオについて
◆1.5℃シナリオ(脱炭素シナリオ)
気候変動の影響を抑制するためにカーボンニュートラル実現を目指した取り組みが活発化し、世界の平均気温を産業革命期以前と比較して1.5℃未満に抑えることを目指したシナリオ。1.5℃シナリオでは、移行リスクの中でも政策・法規制リスクの影響が2℃シナリオに比べて大きくなると想定されています。
◆4℃シナリオ(高排出シナリオ)
気候変動対策が現状から進展せず、世界の平均気温が産業革命期以前と比較して今世紀末頃に約4℃上昇するとされるシナリオ。物理リスクにおける異常気象の激甚化や海面上昇リスクによる影響が大きくなると想定されています。
◆1850~1900年を基準とした世界の平均気温の変化

出典:IPCC第6次評価報告書第1作業部会報告書 政策決定者向け要約 暫定訳(文部科学省及び気象庁)
IPCC第6次評価報告書第1作業部会報告書 政策決定者向け要約 暫定訳(文部科学省及び気象庁)より、図SPM.8を転載
リスク・機会のインパクト評価と対応策の選定
1.5℃シナリオでは脱炭素化への取り組みが進み、顧客からは低炭素製品・サービスが求められ、それに応じることができれば事業機会の獲得やブランドイメージの向上が可能と予想されます。また、政府からは炭素税等の規制もかかるため費用負担が発生することも予想されます。一方4℃シナリオでは、低炭素化・脱炭素化は推進されるが効果は限定的で、CO2排出量は増加傾向となり、異常気象や災害リスクが高まるため、自社外を含めたBCP対策の強化等が必要となります。
リスク・機会 | 気候変動がもたらす影響 | 時間軸 | 影響度 | 対応策 | |
---|---|---|---|---|---|
移行 リスク |
法規制 ・政策 |
サプライヤーにGHG排出量規制が強化され、物販品の原材料等の調達に係るコストが増加する | 中期 ~長期 |
中 | ・サプライヤーと連携しCO2排出量の把握および削減への取り組み ・サプライチェーン全体の見直しと多様化 |
再生可能エネルギーの導入コストが増加する | 中期 | 小 | ・施設の省エネ | ||
技術 | 設備の新規導入、更新(ZEB基準に基づく空調、照明、給湯)に係るコストが増加する | 中期 | 小 |
・費用対効果の高い設備の導入や更新を検討 ・設備導入に関する補助金や助成金の活用 ・長期的な設備計画の策定 |
|
物理 リスク |
急性 | 店舗の洪水被害に伴う営業停止で売上が減少する | 短期 | 中 |
・BCPの策定と実行 ・浸水対策の取組を推進 ・適切な保険への加入 |
物販のOEM生産を委託している工場が被災・生産停止することによって、供給が途絶し、機会損失が発生する | 短期 | 大 |
・サプライチェーン全体の見直しと多様化 ・サプライヤーと連携したリスク回避 |
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洪水や台風による物販品の原材料の一時的な供給網分断により、供給が遅延し、機会損失が発生する | 短期 | 大 |
・サプライチェーン全体の見直しと多様化 ・サプライヤーと連携したリスク回避 |
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洪水や大型台風等の異常気象によるデータセンターの倒壊やデータの消失が発生し、業務・サービスが停止する | 短期 ~中期 |
大 |
・被災をしにくいデータセンターの立地選定 ・BCPの策定と実行 |
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慢性 | 気温上昇による物販品の原材料の供給量減少によって、原材料価格が高騰する | 中期 ~長期 |
大 | ・サプライチェーン全体の見直しと多様化 | |
海水面の上昇に伴い、中⻑期的に店舗の⽴地について再検討する必要が発生し、移転コストが発生する | 長期 | 小 |
・自社のBCP策定と実行 ・出店時のリスク評価の徹底 |
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機会 | エネルギー源 | お客様からの評価向上に伴い、ブランドイメージが向上する | 中期 | 中 |
・継続的なステークホルダーへの情報開示 ・CDP等の外部格付けへの対応強化 ・省エネ・再エネ技術の適用に関する設備投資の積極的な実施 |
レジリエンス | 被災時の早期営業復旧のレジリエンス確保によりブランドイメージが向上する | 中期 | 小 |
・自社のBCP策定と実行 ・防災設備の強化 ・被災時の地域への協力体制の構築 |
|
市場 | 感染症の拡大による免疫力強化のための運動の必要性が増大する | 長期 | 大 |
・施設内の衛生管理、感染予防対策の強化 ・免疫力を高めるフィットネスプログラムの提供 |
時間軸: 短期:1年以内、中期:1~10年、長期:10年~
リスク管理
気候関連リスクを識別・評価・管理するプロセス
当社グループでは、気候変動に関連するリスクおよび機会の識別、評価、管理を毎月実施している取締役会および経営会議において適宜行っております。また、識別・評価された気候変動関連のリスクに対応するため、サステナビリティ経営推進委員会において課題と目標の設定、進捗管理を実施し、リスク対応策は各事業部にて遂行されます。このマネジメントは四半期に1回開催されるサステナビリティ経営推進委員会にて行われ、本委員会の議事内容は取締役会に報告されます。取締役会は、課題や取り組み内容に対して適切な助言を行います。
全社のリスク管理への統合プロセス
取締役会および経営会議において管理される気候変動リスクは、全社的なリスクの中でその重要性が評価され、対応の優先順位付けが行われています。これにより、統合的なリスク管理体制を構築しております。
指標と目標
当社グループは、気候関連問題が経営に及ぼす影響を評価・管理するため、GHGプロトコルの基準に基づきGHG(温室効果ガス)排出量(Scope1~3)の算定を実施しております。また、当社および国内連結子会社を対象とした温室効果ガスの削減目標として、Scope1,2排出において2050年度カーボンニュートラルを目指しています。